何年ぶりかの寒波の為 開店休業状態になったという記事を前回書きましたが、仕事の遅れを取り戻そうといつも以上に早起きをして段取りを仕掛けているときに 『テレビのニュースで長岡さんの事を言っているよ…』と家内の声
次のニュースに切り替わる一瞬の画面に火事の画像 『えっ!』 『何?』 同時に事務所の電話が鳴り 私の携帯も鳴りだしました 『社長 間違いだといいんですけど小倉南区の長岡さんの家が火事みたいですよ……』 急いで朝刊を見ます
[前日に火事が発生し長岡さんとみられる男性が亡くなった] との記事
何がなんだかわからないので急いで向かいました
家に近づくとたくさんの車 消防 警察 関係者 いつもの閑静な雰囲気ではありません
長岡さんのお宅は、戦前からの地主さんで住まいの裏手には山が連なります、防空壕の跡もあり和風の大きな住まいと倉庫や白壁の土蔵もあります。
大昌建設とは先代社長の代からのお客様で40数年となり、ご夫婦ともが教師、校長先生をなさり私の弟も習ったしてご縁の深さがあります。
増築、トイレ 洗面浴室 座敷 サッシ 屋根 玄関等々の修理や改装 何度となく長岡さんからのお声掛けに伺った事でしょうか
『これ持って帰って食べて…』 と季節の野菜や果物 『こんなにたくさんは…職人さん達にも分けますから…』 『社長、僕たちはもういただいて
ますよ』 と職人 笑顔の溢れるご夫婦とのやり取り いい思い出がたくさんあります。
居合わせた息子さん、娘さんと敷地内に入ります、全焼です 化粧垂木の玄関あたりが残っています 玄関サッシの事で打ち合わせをした時の事が蘇ります。防犯上の事もあり警察の方から土蔵の鍵などの指摘があり板囲いをすることとなり急いで準備に帰ります。
昨年末カレンダーを届けた際に、『風邪ひかんごと頑張りよ!』 と云われた言葉が最後の会話になるなんて信じられません、学校出たての若造の私が先代社長や職人さん達からいろいろと学んだ現場です。
長岡さんご夫婦にお会いするのが楽しみな現場でした。
奥様の方は、数年前から体調を崩して施設に入所していますので、普段は長岡さんの一人暮らし 『こんな大きな家はいらんね…それでも守らないといかんし…頭が痛いよ…』と笑顔でおっしゃる姿がとても絵になる好人物です。
教育や地域の方の為に働き、尽くされた長岡一郎さん 葬儀にもたくさんの人たちがかけつけられ人望の大きさがわかります。
花に囲まれた祭壇の横に 【長岡一郎さんが手入れをした庭と花々の写真】 がパネルにして展示しています 『この梅の花の時期に玄関の工事をさせてもらったなぁ』
言葉に語弊があるかも知れませんが、永いこと病気療養中だったとか言えば、いざという時の覚悟はなんとなくできているものですが、火災などの突然の事故 何もかもいきなり断ち切られます。
残された家族の方の心情はどのような言葉でも表わすことはできません。
長岡一郎 様 お世話になりました 心よりお礼申し上げます
謹んでご冥福をお祈りいたします。
大昌建設 藤田眞己 美智子 関係者一同